同志社小学校の過去問を解いてみよう

同志社小学校の入学試験は例年9月上旬ごろに実施され(2022年は8月末に面接及び考査は終了)、ペーパーテスト・運動・行動観察・制作・面接が行われます。
とくにペーパーテストは幅広い分野から出題されますので、対策には時間がかかります。
長い時間をかけて地道にコツコツと、しかも親子で楽しく勉強を進めく必要があります。

志望校が定まってきたら、さっそく過去問を手に取ってみることをおすすめします。
もし、お子さんが問題を解くにはまだ早すぎる段階でしたら、親御さんが先に目を通すだけでも構いません。
過去問を通して、入試問題の傾向や全体像、ゴール地点を把握することが大切なのです。
そこから「何をどれくらい勉強すればよいか?」という、具体的な道筋が見えてくるのです。
一つ一つの分野をしっかりと学習できたら、総仕上げとして過去問を繰り返し解いて、実践力を磨いていきましょう。

ここでは同志社小学校の過去問(類似問題)をいくつか取り上げ、実際に解いていただけるようにしました。ぜひチャレンジしてみてください。

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2017年過去問類似問題より「季節」

【問題】左の絵と同じ季節のものに〇をつけましょう。

同志社小学校過去問

「季節に関する問題」は、小学校受験ではとてもよく出題されるテーマです。
行事、植物、食べ物、生き物はとくに押さえておくべき分野で、どの季節に代表されるものなのかを覚えておきましょう。

ではどうして、多くの小学校で「季節に関する問題」が出題されるのでしょうか。
現代の子どもは昔に比べて、四季の自然に触れる機会が減り、季節の行事への取り組みも薄らいでいると言われています。
そのような中で、子どもが四季を通してどのような体験をしているのか、季節にかかわる物や行事をどれくらい知っているかは、家庭環境に大きく委ねられているのです。
季節感を養い、知識のある子は、コミュニケーションを大切にした心豊かな家庭で育っていると判断しているのです。

「季節」の問題 学習のポイント

「季節に関する問題」に限らず、小学校受験の勉強全般において最も気を付けておきたいことは、「知識の詰め込み」にならないことです。
まだ幼い子どもにとって「物事をただ覚えること」は、とても難しく退屈なことです。
実体験から学んだこと、楽しみながら学んだこと、自分が知りたいと思って学んだことなどが、心にも頭にも自然と残ります。
また、そこから子どもは自らの探求心で知識の幅をどんどん広げ、考える力も育まれます。
子どもが主体的に取り組めるような工夫をし、サポートすることが大切です。

身の回りに季節感を取り入れる

普段の生活の中にある学びのチャンス探して、意識的に季節感を取り入れましょう。
・一緒に公園に出かけて、花や草木、昆虫などを観察する
・スーパーに並ぶ季節の野菜や果物を見つける
・お花屋さんで季節ごとのお花を買って、身近に飾る
・季節イベントは家族で楽しむ
・おせち料理や恵方巻など行事食を食べる
このように、今まで以上に季節感を家庭生活に取り入れて、親子でたくさんお話をしながら興味を持たせるきっかけ作りをしてみてください。

図鑑

子どもが興味を持ったこと、疑問に思ったことは最も大切な学びの芽です。
その芽を見逃さず、一緒に図鑑などで調べて、疑問を解決できるようお手伝いをしましょう。子どもがさらに興味を掘り下げて、自ら知りたいと思うきっかけになるかもしれません。
また、身の回りに取り入れにくいものや、実体験が難しいものも出てくるので、そういう場面でも図鑑は大活躍します。
草木の図鑑、花の図鑑、昆虫図鑑、季節の図鑑などを用意して、いつでも開ける場所に置いておくのがおすすめです。

おすすめ問題集

●こぐま会 ひとりでとっくん  74季節
●理数会 ばっちりくんドリル  季節と行事(基礎編)(応用編)
●ピグマリオン 能力養成問題集 16 季節感
●のびラボ 分野別くり返し   季節のカード・季節の花、植物
季節の行事・季節(総合問題)

2018年過去問類似問題より「常識」

【問題】土の中で育つ野菜に、〇をつけましょう。

同志社小学校過去問

「常識」の問題には、「理科的常識」「社会的常識」「生活常識」などの分野があり、身に付けておきたい知識量は膨大です。
先ほど解説した「季節」の学習ポイントと同様に、遊びや日常生活、家族との関わりの中で、意識的に学びの場を増やしていくことが大切です。

2019年にも同じ「理科的常識」が出題されていましたので、もう一題見てみましょう。

2019年過去問類似問題より「常識」

【問題】左の動物が住んでいる場所はとこですか。〇をつけましょう。

同志社小学校過去問

「常識」の問題 学習のポイント

「常識」の問題の種類

「理科的常識」で押さえておきたいポイントは、生き物、植物、自然・科学です。
ここでもやはり、最も効率的な学習は、実際に見たり、体験したりすることです。
自然や生き物と触れ合う場(公園・動物園・水族館・牧場など)に出かけたり、植物や動物を育てたり、目の前で実験してみたり、子どもがワクワクする体験をたくさん作りましょう。

「社会的常識」では、主に社会のルールやマナーを問われます。
親御さんが家庭でどれだけ意識して子どもに教えているのか、その子がどれくらい社会性を身に付けているかを見ています。日々の生活の中で丁寧に説明するようにしましょう。

「生活常識」とは身の回りにあるすべての事柄に関する知識です。お仕事や乗り物、道具の名前や使い方、行事、生活習慣、家事、昔話など、実にさまざまな領域から出題されます。
幅広いので対策が難しそうですが、子どもたちの身近で目にするものについての問題が多いので、日々の関わりの中で教えてあげましょう。

おすすめ問題集

●こぐま会 ひとりでとっくん  常識1、理科的常識1、理科的常識2
●理数会 ばっちりくんドリル  理科的常識「生き物」(基礎編・応用編)
理科的常識「植物」(基礎編・応用編)
理科的常識「自然・科学」(基礎編・応用編)

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2016年過去問類似問題より「水の量」

【問題】それぞれの水槽に石が入っています。水槽のそうじをするため、石を全部取り出します。石がなくなった水槽の水の量が一番多いものはどれですか。〇をつけましょう。

同志社小学校過去問

「水の量」の問題は、容器に入った水を見て、どれが一番多く入っているか、または少なく入っているかを考える問題です。
さらに、石などを入れたり出したりして水の高さを比べたり、水の中に砂糖や塩を入れて濃度を考えさせるような、発展問題が出題されることもあります。

先ほどの過去問について詳しく見てみると、①~③はすべて水面の高さが同じです。
石がなくなった水槽の水の量が一番多いものを見つけるには、石の重さが一番軽い(小さいもの)を選べば良いのです。
ところが、④を見てみると石の大きさも水面の高さも違います。
このような場合は、水面の高さが同じ容器を比較したり、石の大きさが同じ容器を比較したりして、1つ1つ順序立てて考察する必要があり、かなり難易度が高い問題です。

「水の量」の問題 学習のポイント

目で見て学ぼう

子どもたちは「水の量」の増減について、お風呂に入る場面などで実生活の中でも体感したことはあると思います。
しかし、ペーパーでの問題となると、難しく感じてしまう子も少なくありません。
コップと水、粘土などを用意して、ご家庭で実験してみることが一番です。
実際に目で見て、自分で気づく、納得するといった経験はとても大切です。
そうした経験を通して、発展問題を解く際に必要な推測力・思考力も磨かれていきます。

おすすめ問題集


●こぐま会 ひとりでとっくん
●理英会 ばっちりくんドリル 甘さ・濃度・水の量(基礎編・応用編)
●のびラボ 分野別くり返し  水の量

2020年過去問類似問題より「鏡点図形」

【問題】鏡に左の形を映すとどのような形になりますか。右に書きましょう。

同志社小学校過去問

この問題は、「点図形」と「鏡図形」の2つの分野が合わさったような発展問題です。
このような難易度の高い問題にいきなり取り組むのは良くありません。
まずは「点図形」と「鏡図形」のそれぞれの分野の基礎を十分に理解することが大切です。
しっかりと土台作りができてから、発展問題にチャレンジしてみましょう。

「点図形」の問題 学習のポイント

「点図形」の問題を解くために必要な力

点図形の問題は、「ただ図形を映すだけのかんたんな問題」のように見えますが、実は正しく問題を解くための要素がいくつかあります。

・運筆力 真っすぐに線を引くこと、点と点をきちんとつなぐこと
・注意力 見本の図を細かい部分まで注意深く、正確に見る力
・空間を把握する力 全体を見る力と細かい部分を見る力
・短期記憶力 見本の図を見て、線の位置や長さを瞬間的に記憶する力
・集中力 位置がずれたり、線を見落としたりしないために必要な集中力

などが挙げられます。
はじめは点の数が少ない問題から練習すると、ゲーム感覚で楽しみながら「点図形」に慣れることができます。
点の数が多く線も多い問題や、立体図形の問題など様々なレベルの練習問題がありますので、段階的に進めていきましょう。

「点図形」のおすすめの問題集

●こぐま会 ひとりでとっくん   点図形1 、点図形2、点図形3
●理英会 ばっちりくんドリル   点図形(基礎編・応用編)
点図形の発展(基礎編・応用編)
※鏡点図形の問題も練習できます。
●ピグマリオン 能力育成問題集  点描写①、点描写②、点描写③、点描写④
思考力育成問題集 点描写⑤、⑥
●のびラボ 分野別くり返し    点図形模写A、点図形模写B、点図形模写C

「鏡図形」の問題 学習のポイント

「鏡図形」の問題の練習方法

鏡に映るものは実際のものとは左右が逆転する、という点が最大のポイントです。
その点を頭でしっかりと理解するとともに、感覚的に問題を解けるよう練習していきましょう。

①具体物で鏡の仕組みを理解する
実際に鏡の前に自分や物を映してみて、どのように映るかを一緒に確認してみます。
ぬいぐるみなどの手足を動かしてみて、左右だけが逆転するのを確認すると良いでしょう。
②紙に描かれた絵を鏡に映して練習する
はじめは左に見本があり、右の選択肢の中から鏡に映る図を選ぶという問題に取り組みます。
その際にも、実際に見本の絵の横に鏡を立ててみて、どのように映っているかを確認しながら解いてみます。
③鏡を使わずに頭の中でイメージする
慣れてきたら、鏡は使わずに、感覚的に頭の中でイメージできるようになってきます。
その感覚が身に付けば、鏡図形の問題をスムーズに解くことができるでしょう。

「鏡」のおすすめ問題集

●こぐま会 ひとりでとっくん  鏡映像
●理数会 ばっちりくんドリル  鏡図形(基礎編・応用編)
●ピグマリオン 能力養成問題集 鏡絵

まとめ

この記事では同志社小学校の過去問をいくつか抜粋し、その解き方や学習のポイント、おすすめの問題集などを紹介してきました。

入試までに過去5年分は何度も繰り返し解き、間違えた問題をしっかりと復習しましょう。
過去問をしっかりとマスターすれば、きっと自信を持って本番にのぞむことができますよ。

\1点差で落ちたくないママパパへ/

ライター名:maririn.h
プロフィール:国立教育大学卒業後、塾講師として勤務。その後私立中学校教師をつとめ、
現在は2児の母として育児をしながら執筆活動中。
保有資格は小学校教諭1種免許、中学校教諭1種免許(数学)、高等学校教諭1種免許(数学)。
これまでの教育現場で学んだ知識と、現在進行形の子育ての経験をもとに、役に立つ情報を発信していきます。

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